PlateauPython開発
Plateauデータを使って市街モデルを作る【Plateau】【Python】
2024.11.12
2024.07.04
こんにちは。IU BIM STUDIOの原田です。
前回に引き続き、ARCHICADの設定をgitで管理する方法にトライしてみます。
前回の内容はこちらをご覧ください
gitはなかなか難しいソフトで、私も正直使いこなしているわけではありません。
今回はできるだけ簡単に操作できるよう、ローカルリポジトリでの運用とし、VSCodeのGUI(画面)での操作で説明したいと思います。プログラミング経験がなくても、スクリプトの実行とGUIでのgit運用であれば試すことができると思います。
ローカルリポジトリというのはクラウド上ではなく、自分のPC内での管理ということです。githubというサービスを聞いたことがある方もいらっしゃると思いますが、githubを使った場合クラウドでの運用となります。ソフトウェア開発ではまた別ですが、Archicadのテンプレート管理者が設定のバージョン履歴を管理するレベルであればまずはローカルで問題ないかと思います。
なぜ簡単な方法が重要かというと、プログラミングができるメンバーの手離れを良くすることと、既存ツール+αで業務フローも変えながら全体として業務の効率化を目指すことが大切だと考えているためです。
それではgitの準備から始めていきましょう。
まず、gitをインストールします。
前回説明した通りgitはバージョン管理ソフトで、主にテキストファイルのバージョン管理を行います。
ダウンロードは下記のリンクから行ってください。
https://www.git-scm.com/downloads
設定を管理したいフォルダを作成します。作成したフォルダの中にあるファイルのバージョンを管理していくことになります。
PCの任意の場所にフォルダを作成してください。
Visual Studio Code(VSCode)を起動し、メニューのフォルダを開くから、管理したいフォルダを開きます。
フォルダの中に管理したいファイル、今回の例でいえばPythonからビルディングマテリアルの設定を出力したマークダウンファイルを入れます。
左のエクスプローラーの部分にマークダウンファイルが表示されました。
左のメニューアイコンの上から3番目、「ソース管理」を選びます。
表示されたメニューから「リポジトリを初期化する」ボタンを押すと、準備ができます。
gitに現在の状態を記録させることをコミットと呼びます。コミット→変更→コミットを繰り返してバージョンを記録していきます。
ここで注意すべきことがありまして、ステージというものがgitにはあります。
ステージとはステージに上げたもののみをコミットできる機能で、保存したい変更と保存したくない変更を分けて管理することができます。
しかし、設定の保存という用途においてはあまり細かく管理する必要はなく、すべてステージして問題ないと思います。慣れてきたら使えば問題ありません。
変更欄の+ボタンからすべてをステージします。
ステージされると下の画像のようになります。
メッセージを入れてコミットボタンを押します。
コミットができました。
Git Graphなどの拡張機能を入れると、視覚的に分かりやすくてよいです。
それでは、テンプレートの設定を更新してみたいと思います。
今回は下記のような設定変更をしました。
変更箇所のArchicadでの表示は画像の通りです
設定が終わったら、再度Pythonスクリプトを実行し、マークダウンファイルを書き出します。
書き出したら、先ほどのフォルダに入れます。ファイルを上書きするか聞かれたら上書きします。
VScodeのエクスプローラーを見て見るとMという字が表示されオレンジ色の文字になっています。これはファイルが変更されたことを意味します。
変更した状態を保存したいのでこの状態で先ほど同様、ステージ→コミットします
コミットメッセージには変更した経緯や理由を入力しておくと、後でなぜこの変更をしたかが分かりやすくなります。
変更をコミットできました。
Gitを使うとVSCode上でテキストの差分(どこが変わったか)を確認することができます。
上の画像の色のついている行が変更箇所です。
このようにGitで設定を管理すると変更箇所が分かり、コミットメッセージを付けることで変更した経緯を記しておくことが可能です。
基本的な操作は以上です。Gitにはたくさんの機能があり、ソフトウェア開発では難しい機能を使う必要があったりもしますが、設定の履歴管理ぐらいであれば、最初はこの繰り返しで十分かなと思います。
複雑な建築のワークフローの中でGitなどのバージョン管理ツールを活用していく重要性は高いのではないかと思っています。
クラウドストレージのサービスなどでもバージョン管理できるものもありますが、差分がすぐわかるのはgitのメリットかなと思います。
バージョンを戻せてもどこが変わったかを探す手間が発生すると効率が落ちてしまいます。
Archicadの設定に限らずテキストファイルはバージョン管理が可能なので、他にも利用が可能です。
BIMの活用を考える上でどうしてもモデルを作りこんだり、Grasshopperでパラメトリックな形状を作ったりすることに目が行ってしまうのですが、CDE環境、タスク管理、バージョン管理、BIツールなど割と基本的なツールをきちんと活用・運用できるようにすることが大切ではないかと思っている今日この頃です。
今回は以上になります。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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